独り言小劇場

答えの出ない事柄を徒然に不定期に書き留めてみる場所。

創作・詩

愛(かな)しい花。

ちいさなはなびら
かわいいな

きれいなはなびら
かわいいな

あわいいろあい
かわいいな

ことしもおんなじ
うれしいな

だけど
それがそのままね

なんだかちょっと
かなしいな

かわらずいるのに
おかしいな

おなじように
かわいくて

おなじように
さいていて

おなじように
ちっていく

花はかわらず
いつものところ
いつものように
いきるだけ

めでるこころは
かわったろうか
めでたいきもちは
もどるだろうか

花は花
人は人

どちらも命をつなぐもの

あっけらかん劇場

単館上演を専門としている劇場がある。
看板に書いてあるのは…

入場無料・入退場自由・過去作品200点以上。
(C) 劇場長 All rights reserved.

好きに出入りしていいけど権利放棄してないからねとの注意書き。

なんとなく足を踏み入れた。
いつしか馴染みになっていることに気づかされる。
劇場長なる劇場の主はいつも劇場にいない。
新作は夜に発表される。
上演日程は不定。
上演内容も不定。
わかっているのはこれだけ。
この劇場を「あっけらかん劇場」と呼ぶことにした。

新作がポンっとある日突然出される。
その事について他のアクションはない。
宣伝も無いし反応も気にしていないようだ。
ただ新作が発表される。
作品に接して抱く思いがある。
「今回もよくわからん」
けれど何度か同じ作品にあいに行く。
折りに触れて作品の一部分が引っかかったりする。
過去の作品に触れて見えることがある。
次回作でわかるかもしれないと思うこともある。
待望の次回作が新作と関係があるとは限らないのだけれど。

ある時思った。
あっけらかん劇場の目的は何だろう?
何のためにあっけらかん劇場に自分は行くのだろう。
作品を公開し権利を主張している。
けれど反応を気にしている様子がない。
反応がなくとも淡々と続いている。
作品の発表間隔が広い時がある。
その理由はわからない。
作品の舞台裏が示されることはほとんどないから。
どんな人の作品であるかは関係ないのかもしれない。
そこにある作品から何を受け取ろうとしているか。
公開している人の事を知らないけれど作品が気になる。
となれば、付加価値ではなく作品に魅かれている。
そこに何があるから魅かれるのかよくわからない。
フィーリングがいいってことなのかもと思うことにした。

言葉に思い入れが強いことを感じる。
言葉遊びの様に思えたり厳密さを求めていると感じたり。
道具として最大限の効用で使いたいのかもしれない。
その姿勢が面白く見える。
細か過ぎて響いてこない部分もある。
臆することなくそれでも発表しているのは気概だろう。
それが楽しくて足を運ぶのかもしれない。
奮闘を見たい。

なるほど。
もしかするとそれが目的なのかもしれないとひらめく。
奮闘している姿を見せるために新作を発表している。
もちろん内容を気にして質を気にしているだろう。
でも最も重要視しているのは「出す」ことかもしれない。
煮詰まっていなくても「今はこんな感じ」を伝えている。
とすれば、大きな反応は必要ないのかもしれない。
入場者が途切れた日はまだ無いようだから。

ところで、今読んでいる本と次回作はかするだろうか?
発表する人と作品に接する人との間は近くて遠い。
距離は興味や思考の類似によってだいぶ隔たる。
万人に関係することを取り上げるとしてもそれはかわらない。
本当は万人に関係していてもそれをそれと気づかない人も多い。
気づいている人もどこまで気づいているのかを把握するのは難しい。
では、誰にとってもというテーマは成り立たないのではないか?
こんな風に考える様になったのはあっけらかん劇場に気づいてから。
いや、もっと前からそうだったかもしれない。
意識して考えまとめようとする様になったが正確か。
自分の事もよくわからない。
わからないなりにそこに楽しみがあればやめる理由はない。
それでいいやと思う。

いいな。

いいな
このことを伝えたい
どう伝えるのがいいのかな?
書くのは難しいね

いいな
良いのかな
好いのかな
善いのかな
言わせたいのかな

「いいな」
発せられた言葉だと想わせる
少し変わったかな?
けどまだ足らない気がするね
でも距離は縮まったね
だって聞こえる距離にいるから声に出すんだよね

文字だから伝わることもきっとある
そう信じてる部分がある
それが自分の言葉なんだと思うんだ

楽しかったけど、でも嬉しくない。だって、もうすぐ帰らなきゃ。
辛いこともあるけど、でも続けたい。だって、自分で選んだから。

けど
でも
だって
言い訳の言葉じゃないんだね
使い方で言わないのに伝わることがあるね

信じてる部分は
言葉の一部分なのかな?
伝わりにくさも
伝わりやすさも
どちらも持ってる
その中の部分を選んで使うのかな?

大声で言わなくても
近くに寄って聞こえる大きさで
その分だけ間合いがあって距離がある
この距離に
人と人の間にできる人間関係
垣間見えるのかもしれないね

いいな
大声で叫ぶのがこの言葉だったら
いいな

いいな
顔を寄せあって同じ物を覗き込んで言えたら
いいな

いいな
この言葉を書かずに上手に伝えられたら
いいな

いいな
この言葉の使い方を想い描いてわくわくするのは
いいな

夢猫。

見慣れた場所を舞台に有り得ない数のネコがいる。
いることになっている。
その状況を受け入れている。
それはある日の夢のこと…。

玄関先から庭までネコが群れている。
それぞれが寝たりじゃれたり怒ったり。
その様子を玄関の内側から見ている。
嬉しくもどうしたものかと考えている。
確定しているのはこのままではダメだということ。
玄関を開け一歩踏み出す。
視線が一斉にこちらへ!
とは、ならなかった。
ほとんどのネコがそのままでいる。
関心を寄せてもらえないことにガッカリする。
「ほら、ここにいちゃダメだよ…」ネコ達に向かって言ってみる。
数匹うるさそうに視線を向けるが動かない。
手で追いやると立ち上がり「ふふん…」と、距離を取って丸くなる。
じりじりと時間だけが過ぎる。
(何匹か飼えないかな?)
ちらりと思った瞬間ネコ達の目つきが変わった。
立ち上がって寄ってくる。
声に出して言ったわけではない。
思っただけで通じたかのよう。
玄関に後ずさりながら「みんなは無理だよ」と、つぶやく。
そんなのお構いなし。
どんどん押し寄せる。
「ダメだって…」言いながら払った手が1匹を叩いた。
「痛いな」ムッとした声。
「ごめん!」反射的に頭を下げつつ謝る。
(ん?誰に謝った!?)
ハッとなって視線を上げるとネコ達は座ってこちらを見ている。
「痛いな」冷静な低い声で1匹が言う。
「話せるの?」驚きながらも冷静を装って訊く。
「聞こえてるならそうだろう」さも当たり前の事を言う奴だといった風。
何か言おうとして言葉が出ずにパクパクしているうちに相手が言う。
「飼おうじゃない。暮らそうだ」
「何?」
「お前は飼おうと思っただろう。違う。暮らそうが正しい」
「はぁ…」意味がわからず曖昧に相槌をうつ。
「どれだけなら平気だ?」構わず相手は話を進める。
「名前は何?」自分でも何でこんな返事なのかと呆れる事を言う。
「名前なんてお前達にとって都合のいいものだろう。こちらには関係ない」ピシャリと言い「どれだけなら平気なのかを答えろ」と、催促。
「4、かな…」気圧される形で咄嗟に出た。
4にとりわけ意味があったわけでも、理由があったわけでもない気がする。
思ったまま言ったのだろう。
「あいつはやめておけ」明らかに弱って見えるネコを指して言う。
「あいつのためにもお前のためにもならない。世話になりたいなんて思っちゃいない。世話したいなんて勝手に手を掛けられるのは御免なんだ」
「…」返す言葉なんてなかった。だから黙っていた。
見た瞬間弱っているネコを助けたいと思った自分は何だったんだろう。
「白と黒とこいつを勧める。最後はお前が決めろ」
真っ白で青い目を持つネコ。
真っ黒で黄色の目を持つネコ。
白地にこげ茶が不規則に入った左右違う色の目を持つネコ。
白と黒は見た目で気に入った。
こいつと呼ばれたネコはなんだか楽しそうな雰囲気で気に入った。
あと1匹は自分で決めなければならない。
見回すとネコ達と視線が合う。
毛色も目の色も大きさも雰囲気も全部違う。
選べない。
あいつと呼ばれたネコを探しても見つけられなかった。
「君は…」と、言いかけるとほぼ同時に「俺は選ばれたくない。わかってるだろう」と、先手を打たれた。
続けて「お前達と同じ長さで生きられない。それを踏まえて悩め」そう言うと、
話すネコの姿は消えた。
「決められないよ…」そうつぶやいて見回したところで目が覚めた。

夢は覚めてみて夢だったんだとわかる。
そして、夢だから何でもありなんだと納得させる。
この夢をなぜ見たのかはわからない。
しかしながら、重要な事を教えられた気がする。
数日前に見たにもかかわらず、はっきり覚えているのがその証拠。
意味は自分で考えて悩んでいい。
むしろ、悩む事に意味があるのかもしれない。
意味がなくてもいい。
覚えていて、何かを感じ取った感覚があればいい。
夢は現実とは違うけれど、現実に影響を与える力があるのは確かだから。

大事で大事。

気にしなければ
それはそれ以上にならず
気にしてみたならば
それはもはやそれのみではおられず
この一点こそまず大事で
小さな大事なのです

だいじなことがおおごとなのは
偶然であるはずがない
しかしながら
必然として誰もが感じるのではない
このこともやはり大事で
小さな大事なのです

たとえばクツを見る
ランニングシューズも
ビジネス用の革靴も
クツに代わりない
その先に見ること
履いて共に歩む

時に走り
時に躓き
時に濡れ
多くの時間の共有により
クツはその持ち主を表す

足の形になじみ
履き心地が落ち着く
かかとが減り
傷が刻まれ
色あせてくる

移動した距離
赴いた景色
蒸れも
冷たさも
あるいは衝撃も
これらは一緒にやってくる

道連れのクツ
人を映すクツ
クツをないがしろに扱わない
その想いを大事に
持ち主にも敬意を

たかがクツ
されどクツ
クツをめぐる想い
気がつけば
大事で大事

鷹の爪。

能ある鷹は爪を隠す
そう言い置いて戒める姿を
ぼんやりと見ていました

能ある鷹は爪を隠す
その意味を知っているものだと
疑いなく思っていました

能ある鷹は爪を隠す
何が実力なのか
誇示はどこから誇示なのか

能ある鷹は爪を隠す
いたずらに誇示しない
的を射る時だけの武器

能ある鷹は爪を隠す
聞くともなしに聞いていて
辛くなってきました

能ある鷹は爪を隠す
普通だとか当然だとか
平気で使う人の爪

能ある鷹は爪を隠す
個人の思想ではなくて
根拠のない数の正義を連呼する

能ある鷹は爪を隠す
もはや呆れて来ました
自分を棚に上げた鷹

能ある鷹は爪を隠す
悲しくなってしまいました
戒められている人が聞いていないのです

能ある鷹は爪を隠す
戒められている人はきっと知っている
爪を持たない鷹が何を力んでいるのかと

能ある鷹は爪を隠す
隠す爪すらない鷹が
どんなに力んでも爪が見えるはずはないのです

ある詩人の書簡。

Dear friends.

 木々は新緑を迎え、枝葉の勢い勇ましく深緑へと向かう頃となりました。
 体調・心調どちらもお変わりございませんでしょうか?
 わたくしはおかげ様で元気にしております。
 しかしながら、若干寂しさを覚えることもあります。
 たくさんおしゃべりをしたいとの想いからです。
 機会がありましたら是非ともと思っております。

 さて、この様に突然お手紙させていただきますのは伝えたいからなのです。
 おしゃべりしたい想いと、おしゃべりより文章がよろしい想いとが錯綜。
 そこで、わたくしらしく文章を編む事からと思い至った次第なのです。
 聞いて欲しい事と読んで欲しい事とでは伝わり方はきっと違うでしょう。
 読み返せる文章である事は、難解さに挑む武器と成り得ると思うのです。
 
 気になる気。
 天気、元気、気力、病気、強気、気弱、活気、気配、気分...
 書き連ねるに終わりなさを感じるのです。
 気とは何なのでしょう?
 病は気からと申します。
 気がそうさせる力を持っているならば気力とはどういうことでしょう?
 気力が充実している状態ですと、わたくしなどは気分がよろしい。
 気分がよろしいと何か元気な感じで楽しい気分で過ごせるのです。
 そんな時、天気がよろしければ活気のあるところへ出向いてみたり。
 普段ですと避けている様な事もしてみようかしらと強気になるのです。
 ところが、雲行きがおもわしくない気配がしてくると大変です。
 急に気弱になってまいります。
 なぜだか落ち付かなくなって出過ぎたことをした様に思えてまいります。
 何かしらの関係もないとはとても言えないと思えてくるのです。
 もちろん、気を知るために考え続けても解決はしないのでしょう。
 それでもなお、考える事で得られる「気」がするのです。
 気とは何か分からないにもかかわらず、そこに拠り所を求める。
 面白い。この上もなく面白いと思うのです。
 
 わたくしは空が好きです。
 空に深さを覚えてからずっと。
 高みに落ちて行く感覚は解放であり、また同時に、束縛でもあります。
 空はあなかんむりを部首としています。
 当然、落ちる可能性などないのにです。
 宇宙飛行士は抜け出そうと試み、それを達成します。
 このことから、落ちようと飛んでいくと落ちずに外に出て浮かんでしまう。
 それは潜ろうとすると押し戻される海をも連想させられます。
 こちらは浮かぼうとした時には沈んで行ってしまいますけれど。
 そして、ありのまま。
 地に足のついた、重力で引きつけられた場に留めおかれる。
 空と海とにある広さと深さも無い、隆起した山の頂が最高地と限度を知る。
 このことがかえって憧れを憧れのまま押し留めさせるのかもしれません。

 陸海空からはまだまだ想い描きます。
 循環なのだと。
 地上に生きる上で、山は重要であり、海は重要であり、空も重要です。
 水をめぐる循環は海の水が空を経て地上へ、あるいは、地下へめぐります。
 水がなければ生きられない。
 人工物も含めてそう思うのです。
 鉄筋コンクリートの建造物も水で固めているのですから。
 映像を映し出す液晶も純度の高い水が無ければ生まれません。
 そして、それらを作り出す人間も水分がほとんどを形成しています。
 内的にも、外的にも、水は貴重なのだと思います。
 
 生食と書いてみます。
 わたくしですと直感的には2つ思い浮かびます。
 生で食べる事と生理食塩水の略称です。
 生食は食物繊維であるとか水分で腸の調子を整えるのだろうなと思います。
 生食は体液とほぼ同等の濃度の食塩水として使われていると思います。
 どちらも生きるためになされていることです。
 食べるを使って表現する時でも経口である必要性はないのかもしれません。
 ただ、味気なさは味覚を刺激されないのですから当然かもしれません。

 まとまりのない長文となってしまいました。
 失礼な事と承知の上で読んでいただく時間をお借りしたいと思っております。
 そのお時間を経て、わたくしだけでなくあなた様にとっても収穫となれば。
 そう願って止みません。
 
                                     From your friend.

空色以外の空の色。

スカイブルーだけでなく
空は多くの色をもち
その色から
人もまた
多くを受け取る
何かがあるのかもしれません

昼間の空色の色は
晴れであることを教えてくれます
晴れの日に差す傘は
陽が降り注いでいることに
気づかせてくれます

昼間の曇空の色は
雲の濃淡をもって
雲の厚みも
空の高さも
一度に教えてくれます

昼間の雪色の空は
雲と雪との間に
雲は雲
雪は雪
その白の違いを想わせてくれます

昼の空は陽によって
天気を教えているのかもしれません
夜の空は月によって
何を教えてくれているのでしょう

夜に見上げる黒色の空は
空の向こうに広がるものを
宇宙の中の地球を
星々の輝きから
伝えてくれるのかもしれません

陽は力強く丸く
月は穏やかに鋭く
その存在を示す

昼間陽と共にある月はまるで軍師
夜陽に代わる月は空に君臨する王
星達を引き連れて
空(そら)を宇宙(そら)に変える

空色以外の空の色
その色の違いは
見る者の色の違いをも
映し出す鏡にさえ
成り得るのかもしれません

実感と体感。

気に掛けることもなく
気に留めることもなく
それでいて
ふと気づいたり
気づかされたり

実感
心で受け止める
その誠実さ
その懸命さ
その有難さ
その嬉しさ
その優しさ

体感
体から感じ取る
その眩しさ
その朗々さ
その美味さ
その香しさ
その柔かさ

心身は一対なのだと
感じ取って
受け止める

この様に思うのは
気づきから始まり
次の気づきへ続く
その流れの一過程

体を通して
心を通じて
種を宿し
血となり
肉となり
実を結ぶ

生きることは
自らを育てること
想うことは
大きく育てること
そのための
実感と体感

柔軟剤。

たとえば
起爆剤を想うことから
それは訪れるかもしれません

物事のきっかけは
外からの刺激を受け
内から突き動かされる
それを起爆剤と捉えるように

もしも
柔軟剤を想うことができたなら
それは訪れるかもしれません

融通の利き方は
こころの負担を少量に
型通りではない工夫を
受け入れられる余裕があればこそ

薬剤のように
外から内に取り込んで
外に向かってゆきたいと
内の力を高めることを
起爆剤だとするならば
柔軟剤はきっと
知識と経験
自信と教訓 

外から内に取り込んで
蓄積されたものたちが
内から外へとあふれ出す

与えられるだけでなく
吸収しようとすることも
柔軟剤になり得ると
こころが教えてくれるはず

何を取り込むかではなくて
何を取り込んだのだから
どう活かすかを想う時
その行動が起爆剤となり
柔軟剤の役割を果たす

こころのしなやかさは
作られるものではなく
作ってゆくものなのだと
こころが教えてくれるはず
来場者数 since 15,November,2007
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

過去1〜200作品は総集編
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