弘前のさくら祭りへと出かけてきた。
事前に得た情報は、今回の旅行に「思うところ」を与えてくれた。
いい情報も、あまり喜ばしくない情報もあった。
1つに、さくらの開花が早そうだということ。
2つに、弘前城の改修工事が始まり、今年を逃すと10年見られなくなること。
3つに、出発予定日付近の空模様があやしいこと。

旅行はきっかけも発見も連れてきてくれる。
そしてなにより、行かないことには出会えない「ものごと」を感じられる。
結果、今回の旅行は満足だった。
心満たされる旅だった。
来て良かった、また来たいと思える旅になった。

目的は明白。
「弘前城とさくら」を撮ること。
この点から言えば、残念だった。
弘前に5月5日5月6日の一泊二日。
前々日の大雨で例年より早く満開となっていたさくらは、ほとんど散っていた。
さて、どうして弘前城を撮ったものか?
さくらは無くとも白壁で美しい弘前城。
とは言え、あったものがない寂しさと期待感に膨らんでいた思いは砕かれた。

仕方が無い。
そう思ったらダメなのかもしれない。
散ったさくらがもう一度枝に戻ることは無い。
弘前城は変わらずある、いや、むしろ、変わる前としてある。
とすれば、今見えるもの、あるものとして撮る。

10年後、足元を固め直した城と満開のさくらをまた撮れたらいい。
今回はそれまで思いをつなぐために撮ろう。
そこには、間違いなく「弘前城とさくら」があった。
弘前城とさくら

出猩猩(でしょうじょう)の赤が秋を思わせる一枚になった。
見方、捉え方、考え方を変えれば、面白さも変わってくる。

弘前城を後にして、ねぷた村も見学。
津軽三味線世界チャンピオンの生演奏を聴くことができた。
弾く(はじく)ことが弾く(ひく)ことなのだと実感できる力強い演奏。
ビリビリと体に音色が響き揺さぶられるのを感じながら惹きこまれた。
郷土料理も飾らない、どこまでもじんわりと内側から幸せを感じる素朴な味。
ウマイッ!ではない。
あ〜、おいしいなぁ。ほっとするなぁ。と思えるあたたかさ。
美味しさはインパクトではなくて、染み渡るあたたかさかもしれない。

何に満足、何で満足かによって旅行は大きく変わるだろう。
全部がうまくいかなくてもそれでいいんだ。
その時はその時だけのもの。
次の機会を想えばいいじゃない。
だから、今回の旅行ありがとう。
10年後、またね。