写真でカラーとモノクロとどちらがいいかを想う。
無粋な事をと思いながら、それでも「どちらか」を想ってみる。
行き着くところはもうわかっている。
どちらもいい。
比較することは重要な事だと思う。
優劣を求める必要はない。
ここで想う「いい」は、どちらが「合う」と換言できるかもしれない。

カラーとモノクロ。
比較するのは何かといえば色の多さだろう。
他に何があるのか?
対象物との相性があるかもしれない。
これはよくわからない。

同じ物を同じ様に撮る。
一方は見た色のままに撮れる。
他方は見た色と異なって撮れる。
同じ物が違って表現される。
これは面白い。
構成要素が違っていても同じ様にそこにある。
何かを引いてもそこにある。
あるいは逆に、引いても大丈夫な物に足してあるのかもしれない。
はっきりしているのは、どんなにモノクロの世界に魅かれても目は違う。
カラー世界で見る目を持っているから、「引く」レンズを通さなければ。

色彩の力と濃淡の力。
端的にこれかもしれない。
多様性という共通項がある。
ただ、方向が違う。
横の広がりと縦の広がり。
カラーをモノクロにする時に行われるのは何だろう?
単純化だろうか?簡素化だろうか?
混み入っていることを単純にする。
ふむ。
無駄を省いて簡単にする。
ふむ。
無駄を省いて単純にすることが同時に行われている。
色彩の持つ魅力は情報が多すぎて無駄になると解釈できる。
単純簡素化されたモノクロは本当に省略されているか?
すべてを濃淡に置換しているとすれば、引かれた物はないのではないか。
この疑問がそのまま返ってくる。
色彩を感じ取れないのにそこにあるというのは間違いではないのか。

結局のところ考えているだけではわからない。
実際に同じ物を提示するしかない。
この想いの為に1万8千歩弱歩いて撮った。
最初から最後まで面白い。
2010.11.20-1

CIMG0052

どちらがいいかを比較する。
優劣を求めずに相性と合相を感じる為に。