今年も気がつくと残すところあと1月。
昔と今とで時間が同じ速さで進んではいないのじゃないかと感じる。
出来事があまりにも沢山起こり、それを逐一耳にし、そして忘れる。
情報が多い分だけ「その日」に何かがあったことを知る。
それに伴って自分に関係のなかった情報は残らず掻き消えて行く。
歳のせいかもしれないけれど、今年の初めにあった事の多くを忘れている。

さて、毎年のお楽しみ「今年の漢字」の季節。
毎年とちょっとだけ今年は意味合いが微妙な感じ。
漢検不祥事で、この「今年の漢字」自体なくなるかもしれないと思った。
世相を1字で表す。
漢字文化の粋を想わせ、途絶えるのには残念だと思っていた。
それが途絶えることなく実施される運びとなり嬉しい。

そろそろ本題。
今年の漢字は「落」だと予想する。
理由付けは色々と思い浮かぶ。
漢検不祥事による信用が落ちた事に触れないわけにはいかない。
一時代を築きあげた著名人が命の火を落としたのも多かった。
政治では政権交代がなされ、大物議員と呼ばれた人達も落選を味わった。

明るい話題をするのに「落」はなかなか使われない。
1年を表すのに明るい話題よりも暗い話題の方が印象深いのは寂しい。
けれど、暗さを晴らすほど強烈な明るい話題はそうあるものでもない。
個人的に楽しい事、嬉しい事はあっても、「みんな」が感じられる事。
それが難しさなのだとしみじみと思う。

今年1年どう表されるのだろう?
明るい漢字が選ばれるかな?
どの字が選ばれるのかな?
予想は当たるかな?
漢字1字を思いながら1年を思い描く。
そこにあるワクワク感。
こういう感覚を抱くのがとても好きなんだと気付く。